狂った油「人工トランス脂肪酸」が危険な理由。子供はなるべく避けて!

「油」(=脂肪酸)は生きていくために必要な栄養素です!

近年は健康オイルブームで、荏胡麻油、亜麻仁油、MCTオイルなどが大ヒットし、

スーパーなどでも手軽に買えるようになりました。

これらは「オメガ3脂肪酸」=「必須脂肪酸」と呼ばれ、摂取することで健康に良いのですが

逆に「危険な脂肪酸」として有名なものが「人工トランス脂肪酸」です。

食べるプラスチック、狂った油とも呼ばれる人工トランス脂肪酸ですが、日本では野放し状態。

人工トランス脂肪酸の一体何が危険なのか、解説します。

トランス脂肪酸はアメリカでは使用禁止!

人工トランス脂肪酸は、主にマーガリン・ショートニング・ファットスプレッドに含まます。

つまり、これらの油脂を使う、パン・菓子・揚げ物など様々な食品に含まれているのです。

健康に悪影響があるとして、2015年、アメリカ食品医薬品局(FDA)は、2018年6月までに人工トランス脂肪酸の含まれる食品仕様を全廃すると発表。

2018年9月には、カナダ国内で、人工トランス脂肪酸の使用が正式に禁止されました。

現在では、アメリカやカナダでは人工トランス脂肪酸が含まれた食品の販売使用が全面的に禁じられているのです。

カナダでは、この規制の実施によって、人工トランス脂肪酸を多く含んでいる部分硬化油が、「汚染物質その他不純物質リスト」に加えられ、今後、食品製造業者が加工・精製によって作られる人工トランス脂肪酸を製品に入れることは違法となりました。

カナダ国内で販売されるあらゆる食品が対象で、輸入品や加工食品、飲食店などで出される料理にも使用が禁止される。

日本では当然のように売られているマーガリンや、それらの油脂を使用しているパン、菓子類は、アメリカやカナダでは販売できないような危険なものなのです。

「トランス脂肪酸」は2種類ある

有害物質として、アメリカやカナダでは全面的に禁止されているトランス脂肪酸ですが、

本当にそれほど危険なのでしょうか。

実はトランス脂肪酸には、2種類あり

●天然に食品中に含まれているもの

●油脂を加工・精製する工程でできるもの

があります。

前者の「天然に食品中に含まれているもの」とは、牛肉や羊肉、牛乳や乳製品の中に含まれる

「天然のトランス脂肪酸」のことで、こちらの方は問題になっていません。

問題になっている危険なトランス脂肪酸は後者の方で、「人工トランス脂肪酸」と呼ばれる

以下のような場合に生成される脂肪酸です。

●常温で液体の油脂から固体の油脂を作り出すために、水素を添加する場合

●植物油の臭いや色をとるために、高温で精製する場合

●揚げ調理の際に、油脂を高温で加熱し続けた場合

以上の場合に生成されてしまうのが、人工トランス脂肪酸になります。

「場合に生成される」と言っていることからわかるように、トランス脂肪酸は結果的に生じてしまう副産物。

もともとある普通の油を、加工し、自然界に存在しない人工的な油にしてしまったものを、

「人工トランス脂肪酸」と呼びます。

自然界に存在しない不自然な形の油なので、人体に良い影響を及ぼすわけがありません。

「食べるプラスチック」と呼ばれる由来はこれで、ある食品工業の技術者が、

「トランス型のいびつな脂肪酸に変化した構造をもつマーガリンが、プラスチックとよく似ている」と指摘したそうです。

プラスチックは自然界には存在しないものなので、土の中に埋めても分解されませんよね。

人工トランス脂肪酸が与える健康被害

不自然な油であるトランス脂肪酸は、さまざまな健康被害をもたらすと言われています。

トランス脂肪酸によって引き起こされやすくなると考えられている病気は以下の通りです。

●LDL(悪玉)コレステロールを増加させ、HDL(善玉)コレステロールを減少させる働きがあり、

冠動脈性心疾患に繋がる可能性。

●冠動脈性心疾患により、突然死・糖尿病・内臓脂肪の蓄積(メタボ)・高血圧・高血糖になる

リスクが高まること。

●アトピーなどのアレルギーを誘発する可能性。

など、たくさんの体への悪い影響が報告されています。

脳や心臓などを始めとした、さまざまな部分に悪影響を及ぼすことがわかります。

また、免疫機能などにも影響を与えると言われているので、極力摂取は避けたいところです。

トランス脂肪酸が脳にダメージ?子供は控えて!

体に良い油は、荏胡麻油、亜麻仁油などのオメガ3ですが、これらの良い油が不足すると、

代わりにトランス脂肪酸が脳神経の構成材料として使われやすくなります。

使われたトランス脂肪は脳の伝達神経機能を変形させます。

そして、この状態が何年も繰り返されると、ADHD、情緒不安定、うつ、集中障害などの脳の重要な機能低下を招く恐れがあります。

特に、発達途上の子供の脳の発育、人格形成に与えるダメージはかなり大きいと考えられます。

アトピーなどのアレルギーが現代に急激に増えているのも、トランス脂肪酸との関係が指摘されています。

人工トランス脂肪酸が含まれている食品

トランス脂肪酸が含まれていると言われている食品をおさらいしましょう。

●マーガリン、ショートニング、ファットスプレッド、加工油脂

植物性油に水素添加で固体にしている典型的な「人工トランス脂肪酸」です。

いますぐバターに切り替えるか、低トランス脂肪酸の表示がある商品に切り替えましょう!

ファットスプレッドは特に人工トランス脂肪酸の含有率が多いです。

●ファーストフードのフライドポテトやドーナツ

サクッとした食感を出すため、揚げ油にショートニングが使用されていることが多いです。

また、お店のフライヤーでは高温で加熱し続けているため、非常に危険です。

●パンやクッキーなどのお菓子

スーパーなどで販売されている菓子パンや、クッキーなど小麦粉系のお菓子は

ほとんどの商品に、マーガリンやショートニング、加工油脂が使われています。

パン屋さんのパンでも、バターよりも安いマーガリンを使用しているお店の方が多いです。

表示を確認するか、お店に問い合わせましょう。

●コーヒーフレッシュ

ミルクのように見えるが、植物油脂に乳化剤を添加したもの。

トランス脂肪酸の入っていない商品もありますが、健康に良い商品とは言えません。

1日の摂取は2グラム未満を目標に

WHO(世界貿易機関)は、トランス脂肪酸の摂取量を、摂取エネルギーの1%未満に抑える

よう勧告しています。

日本人の大人が1日に消費するエネルギー=平均で約1900kcalなので、

約2g未満が目標量となります。

先進国ではすでに対策をしている国が多く、アメリカ・カナダの全面禁止をはじめ、

アルゼンチン・ブラジル・パラグアイ・ウルグアイ・中国・香港・台湾・韓国では、

トランス脂肪酸の含有量の表示を義務付けています。

デンマーク・スイス・オーストリアでは100gあたり2g以上のトランス脂肪酸を含んだ油脂の国内流通を禁止しています。

日本では規制も表示義務もない

日本はトランス脂肪酸の規制や含有量の表示義務がなく、目標値も設定されていないので、

先進国としては非常に遅れていると言わざる負えません。

同じアジアの韓国や中国では、すでに表示義務があるというのに、残念です。

農林水産省の2008年の調査によると、日本人1人あたりのトランス脂肪酸の平均摂取量は

0.92~0.96グラム(1日あたり)と欧米より少ないというのが理由のようですが、

菓子パンがクッキーが好きで毎日食べる人や、ファーストフードが好きな方は簡単に超えてしまうのではないでしょうか。

普段の生活習慣から、トランス脂肪酸の摂取が多いかもしれないと感じている方は、

ラベルや原材料を確認し、積極的に対策をしている企業の商品をチェックしてみましょう。

特に、子供達が好きなものに多く含まれている「トランス脂肪酸」なので、一刻も早い規制をお願いしたいですが、

無理のない範囲で楽しくヘルシーにおやつや加工品を選んで対策していきましょう。