市販の虫よけ剤のほとんどが「ディート」使用
子育てをしていると、欠かせないアイテムの一つ、虫除け剤。
公園遊びやアウトドアの際、虫よけ剤を使い忘れるとあっという間に子供は虫刺されだらけになってしまいます。
しかし、その虫除けスプレーの主成分「ディート」ついて知っていますか?
一般的にドラッグストアに売っている虫よけ剤には、大体「ディート」が含まれています。
インターネット上の記事では、ディートの危険性や有害説も多く、正直怖くなってしまうのですが、実際どの程度危険なのでしょうか?
蚊・ダニに特に安価でよく効く「ディート」
ディートとは、アメリカ陸軍のジャングル戦の経験から開発された、虫除け成分です。
ディートは1946年に軍事用としての使用が開始され、1957年からは一般家庭用にも市販されるようになりました。
その虫除け効果は群を抜いていて、安価でもあることから、世界中で虫除けスプレーの主成分として使われています。
ディートは虫の神経を麻痺させる「忌避剤」
ディートが虫除けに高い効果を発揮するのは、蚊の触覚を麻痺させ、人間を吸血対象として感知できなくしてしまうことによります。
ディートが蚊の触覚を麻痺させることで、蚊は人の出す二酸化炭素を感知できなくなります。
すると、人の肌にとまっても、刺さなくなるのです。
殺虫剤ではなく、あくまでも忌避剤であることが、ディートが安全であるとされるひとつの理由なのですが、神経を麻痺させる・・・というのはなんとも怖く感じてしまいます。
現に、ディートは、外国の動物実験(ラット皮膚塗布試験)で神経毒性が示唆されています。
ディートは直接、粘膜や顔、手、傷口に使用しなければ、安全に使うことができるということですが、神経を麻痺させる成分を、神経系の発達が盛んである乳幼児に使用は避けるべきです。
日本では6ヶ月未満の赤ちゃんへの使用は禁止
現在、厚生労働省では月齢6ヵ月未満の赤ちゃんへの使用を禁じ、それ以上の小さな子どもにも、一日の使用回数に制限設けています。
ディートを含有する医薬品及び医薬部外品に関する安全対策について(出典:厚生労働省)
もちろん過剰摂取しない限りは安全に使えますが、ディート使用製品には必ず「6か月未満の乳児には使用禁止、6か月以上2歳未満の乳児は1日に1回しか使用しない」というような注意書きがされています。
しかし、注意書きを見落として、知らずに使ってしまったという声も多く聞かれます。
日本では2016年よりディートの含有量の上限が30%に
日本では、これまで医薬品が12%、防除用医薬部外品では10%以下となっていたディートの濃度を30%まで高めると厚生労働省が発表したことにより、現在ではディート30%の虫除け剤が日本でも販売されています。
ディート30%の濃度の虫除け剤には、12歳未満の小児には使用しないこと(小児にはディート濃度が12%以下の製品を使用すること)と書かれていますので、さらに注意が必要です。
そもそも、一般的に公園やアウトドアで使用する際に、ディート30%の濃度の虫除け剤は必要ないと思われます。
日本国内におけるディートによる副作用報告
平成22年度薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部安全対策調査会の資料によると、日本における平成17~21年までの4年間のディート副作用報告は172件。
ほとんどが湿疹やヒリヒリ感などの軽い皮膚疾患で、重篤な副作用の報告はありません。
引用:虫除けスプレーのディートって何が危険なの?ディートの危険性について
http://karakuchi-info.net/life/medical/deet/
発疹・ただれ・かゆみ・頭痛・めまい・筋肉の硬直・息苦しさ
肌が弱く神経系の発達が盛んである乳幼児への使用は絶対に避けるべきですね。
子供が吸い込むと危険!スプレーではなく、シートやジェルタイプがオススメ
一般に虫除け剤はスプレータイプが多いですが、そのまま子供に対して使用すると、誤って吸い込んでしまうおそれがあります。
これを避けるため、シートタイプやジェルタイプなどの製品も用意されています。
スプレータイプより、直接濡る方が虫除け効果も高く、安全に使うことができ一石二鳥です。
手の甲などは、目をこすったり口に入れたりすることも考えられるので、虫除け剤を塗るのは避けましょう。
使用法に気をつければ、ディートもある程度は安全に使うことができ、高い虫除け効果が期待できます。
一番安心・安全なのはアロマをつかった虫除けスプレー
赤ちゃん・子供にも安心して使える虫除けは、やはり天然のアロマ(精油)を使った手作りスプレー。
効果はディートに比べると落ちますが、手の甲や顔にも安心して使うことができます。
一般的に、アロマで手作り虫除けスプレーを作る場合は
ラベンダー・ゼラニウム・レモンバーム・レモンユーカリ・レモングラス・シトロネラ・ローズマリシネオール・ペパーミント
などと、アルコール・水を混ぜて作ります。
手に入りやすいハッカ油・アルコール・水で作るのも簡単でオススメです。
※レモングラスやゼラニウムは昆虫忌避作用の精油としてよく取り上げられていますが蜂に関しては逆に引き寄せてしまうようですので注意が必要です。
安心安全な手作り虫除けスプレーですが、あまり効果が持続しない為、こまめに塗るようにしましょう。
あんしん、あんぜん、よいしなのメリリマです。